アルギン酸エステルの危険性について

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アルギン酸エステルとは

アルギン酸は藻類などに含まれる多糖類で食物繊維の一種です。多糖類に関しては、「成分一覧」の「スクラロース」のページにある二糖類の説明をご参照ください。アルギン酸エステルはアルギン酸に酸化プロピレンを加えて、構造中のカルボキシル基にプロピレングリコールをエステル結合した誘導体です。食品衛生法では「アルギン酸プロピレングリコールエステル」が正式名称となっています。

食品分野では増粘剤、安定剤、ゲル化剤として利用されています。食品衛生法上、アルギン酸は既存添加物とされ、アルギン酸プロピレングリコールエステルは指定添加物に分類されています。指定添加物とは食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が使用してよいと定めた食品添加物になります。

酸化プロピレンは無色で揮発性の高い液体で、ポリウレタンなどの化成品の原料となっています。ヒトに対する発がん性の懸念があり、国際がん研究機関はグループ2Bに分類しています。カルボキシル基は炭素原子にヒドロキシ基一つと酸素原子が二重結合した官能基で、基とは原子の集合体のことを指します。エステル結合とは酸とアルコールの間で水が失われて生成する結合のことを言います。誘導体は、ある化合物の小部分の構造上の変化によってできる化合物になります。

アルギン酸エステルの危険性

アルギン酸エステルが問題視されている理由は「アレルギーの人が採ると皮膚発疹を起こす場合がある」という点にあります。ただ、症例に関する資料を見つけられなかったので、その点に関しては書くことが出来ません。

国連機関である合同食品添加物専門委員会では、一日許容摂取量は0~70mg/kgとされています。体重60kgの人であれば、一日のうち4,200mgまで摂取しても問題ないという数値になります。

マウスを使った実験では、一部又は完全にプロピレングリコールとアルギン酸に加水分解され、生じたプロピレングリコールは吸収され、その代謝物は通常のエネルギー生成経路に入るものと考えられ、一方でアルギン酸は加水分解を受けなかったアルギン酸プロピレングリコールエステルと共に糞中に排泄されると結論されています。詳細は食品安全委員会が2006年3月に作成した「アルギン酸及びその塩類」の添加物評価書に記載されています。