安息香酸の危険性について

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安息香酸とは

安息香酸は芳香族化合物というベンゼンを代表とする環状不飽和有機化合物の一群に含まれます。環状とは輪のような円い形、飽和とは最大限まで満たされた状態、有機化合物は炭素を含む化合物の大部分を指します。化合物は2種類以上の元素が化学結合で結びついた純物質です。

安息香酸ナトリウムなどは抗菌・静菌作用があるので、清涼飲料等の保存料として添加されている場合がありますが、殺菌作用はありません。旧厚生省は安息香酸を天然に存在しない添加物に分類しています。

安息香酸の危険性

安息香酸Naが問題視されている理由は「急性毒性が強い」という点にあります。安息香酸Naを5%含む餌をラットに4週間食べさせた実験では、すべてが尿失禁や痙攣を起こして死亡しています。また、ビタミンCと反応すると、白血病を引き起こすベンゼンになります。

2007年に、英国食品基準庁が食品添加物と注意欠陥・多動性障害との関係を調査する為に、二重盲検法による広域スクリーニングを実施した結果、数種類の合成着色料であるタール色素と、合成保存料の安息香酸ナトリウムを同時に摂取した群に相関を認めたという研究報告があり、注意欠陥・多動性障害の子供は、安息香酸を保存料として使用されている食品は避けたほうがいいと勧告しています。

一方で、欧州食品安全当局(EFSA)は上記の報告に対し、観察された影響の臨床上の意義が不明なことや、研究結果の一貫性の無さ、小さなエフェクトサイズの意義が不明なこと、用量反応性の情報がないこと、食品添加物の行動への影響を誘発させる生物学的メカニズムが考えられないことを挙げ、一日許容摂取量を変更する根拠にはならないとしています。

また、ベンゼンに関しても、試験結果によればベンゼン濃度は最大でも20ppb程度に留まり、ドイツ連邦リスク評価研究所も現時点でのリスクは評価できないとしています。ppbは100万分の1を基準とする割合の数値です。ベンゼンは疫学研究によって、低濃度のベンゼンを長期間吸い込むと血液のがんである、白血病を引き起こす可能性があることがわかっていますが、発がん性の観点から定められたWHO空気質ガイドラインでは1μg/m3の濃度に一生涯曝露すると、百万人のうち4.4~7.5人が発がんするくらいの割合になるとあります。μg(マイクログラム)は百万分の一を表します。