カラギナンの危険性について

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カラギナンとは

カラギナンは直鎖含硫黄多糖類の一種です。多糖類に関しては「成分一覧」の「スクラロース」のページにある二糖類の説明をご参照ください。直鎖は炭素原子が環状や枝分れの構造ではなく、一本の鎖状に連なっている構造の分子のことを指します。硫黄は温泉で湯の花などに変化したものを見かけることがあるかと思いますが、硫酸の製造に必要なもので、黒色火薬の原料でもあります。

カラギナンは藻類からアルカリ抽出によって得られ、食品などでゲル化剤、増粘剤、安定剤として使われているものになります。入れると食感が滑らかになると言われています。

主に、アイスクリーム、乳製品、飲料、ソース、肉製品、歯磨剤、シャンプー、化粧クリームに使われています。中国では紀元前600年頃に、アイルランドでは西暦400年頃に食用として用いられた記録が残っています。

カラギナンの危険性

カラギナンが問題視されている理由は「動物実験で発癌促進作用が見られた」という点にあります。この動物実験はげっ歯類(ラット、モルモットなど)を用いたもので、カラギナンの分解物が消化管に潰瘍及び癌を引き起こすこと、分解物は未分解カラギナンから消化管で生成しうることが示されています。未分解カラギナンも発癌プロモーション作用があると報告されています。

分解物とは消化する過程にできる物のことになり、発癌プロモーション作用のプロモーションとは、最終的には悪性化する可逆的な段階であることを意味し、正常細胞が潜在的腫瘍細胞に変化する不可逆的な段階である「イニシエーション」と共に用いられやすい単語です。

国際がん研究機関における発がん性リスク分類は、未分解カラギナンについてグループ3(ヒトに対する発がん性は不明)、カラギーナン分解物についてはグループ2B(ヒトに対して発癌性の疑いがある)となっています。

しかし、カラギナンによる発がんプロモーション作用は、げっ歯類特有の腸内細菌叢による証拠があるため、国連のFAO/WHO 合同食品添加物専門家委員会は、一日許容摂取量(ADI)を「特定せず」、つまりは「毒性リスクは事実上ゼロとみてよい」と判断しています。先の委員会は多くの食品に対し、一日のうちで摂取しても安全な量を発表しているところになります。