サッカリンの危険性について

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サッカリンとは

サッカリンは摂取してもカロリーにならない人工甘味料の一つで、サッカリン自体は水に溶けにくい性質を持っています。通常は水溶性のナトリウム塩(サッカリン酸ナトリウム)として加工食品に用いられています。旧厚生省はサッカリン酸ナトリウムを天然に存在しない添加物に分類していました。

水溶液はショ糖の350倍あるいは200~700倍の甘味があるとされています。ショ糖を説明する前に、糖質について説明します。糖質は大きく分けると、単糖類と二糖類があります。前者は分解され尽くした最小の分子構造なので吸収が早く、後者は異なる分子がくっついたものなので吸収に時間がかかるものになります。

単糖類を化学名で言うと、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、トリオース(三炭糖)、テトロース(四炭糖)、ペントース(五炭糖)などとなります。二糖類を化学名で言うと、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、スクロース(ショ糖)などがあります。つまり、スクロースは二糖類の糖質で、構造的にはブドウ糖と果糖が合わさったものになります。身近な例では、紅茶に入れたりする砂糖があります。

サッカリンの危険性

サッカリンが問題視されている理由は「発がん性の疑い」にあります。1960年代に行われたラットを使った動物実験で、雄のラットのみ膀胱粘膜に対して発がんプロモーション作用を有し、弱い発がん性があるとされて一時使用禁止になった経緯があります。

その後に行われた他の動物を用いた動物実験では発癌性が示されず、ラット実験での結果は過剰摂取が原因ではないかと指摘されています。2011年11月21日に出された食品衛生分科会添加物部会報告では、合成甘味料として約100年にわたる歴史と、アメリカやEUといった諸外国での利用状況が記されています。

先の発がんプロモーション作用に関しては、膀胱上皮の細胞増殖活性の上昇はサッカリンナトリウムの投与によって認められるものの、他の要素に影響されてナトリウム塩の投与でも誘発されたとあります。ラットを用いた二世代にわたる試験の無毒性量500mg/kg 体重/日を根拠に、3.8mg/kg 体重/日を一日許容摂取量としています。

無毒性量を簡単に説明すると、様々な動物実験を行った際に、毒性学的に有害な影響が認められなかった最高の暴露量(摂取量)のことになります。発がんプロモーション作用のプロモーションは、最終的には悪性化する可逆的な段階であることを意味し、正常細胞が潜在的腫瘍細胞に変化する不可逆的な段階である「イニシエーション」と共に用いられやすい単語です。

「糖不耐性(グルコース不耐症)」の原因となることについては、個人差が大きいという指摘もあります。

糖不耐性は、消化吸収できない糖が腸内環境を変え、下痢に繋がるようなこと。消化できる・できないは、遺伝的欠陥によると言われているので、個人差が大きいと指摘されています。

特定の糖に対する消化能力なので、糖分すべてに言えることではありません。わかりやすい例としては、牛乳を飲んだらお腹を下す人、そうでない人がいるのと一緒。

『ネイチャー』誌に発表されたイスラエル・ワイツマン科学研究所の研究が元になっています。