亜硫酸塩の危険性について

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亜硫酸塩とは

亜硫酸は硫黄のオキソ酸で、二酸化硫黄の水溶液中に存在するとされる酸です。硫黄は温泉で湯の花などに変化したものを見かけることがあるかと思いますが、硫酸の製造に必要なもので、黒色火薬の原料でもあります。

二酸化硫黄は二酸化窒素などの存在下で酸化されて硫酸となり、酸性雨の原因となる一面もあります。二酸化硫黄は呼吸器を刺激して、咳、気管支喘息、気管支炎などの障害を引き起こします。火山の火口から自然発生しているケースの他に、工場等から排出されるケースもあります。四日市ぜんそくの原因の一つとしても知られています。

二酸化硫黄には抗菌作用があるので、食品添加物としてアルコール飲料やドライフルーツの保存料、漂白剤、酸化防止剤に使われています。ワインの製造にも用いられていて、抗菌剤や酸化防止剤の役割を果たしています。水の存在下では脱色作用があるため、紙や衣服などの漂白剤として用いられていますが、空気中の酸素によって再酸化が起こるので漂白作用は長くは続きません。

亜硫酸塩の危険性

亜硫酸塩が問題視されている理由は「漂白剤」として使われているものを体内に入れても大丈夫なのかという点にあります。また、胃粘膜を刺激する懸念があるのと、動物実験からビタミンB1の欠乏を起こし、成長を阻害する可能性が示唆されていることも理由として考えられます。

ワインに入れ始めたのは古代ローマ時代からとも言われており、歴史的には長く用いられてきた酸化防止剤のひとつと言えます。当時の取り入れ方としては、ワインを入れるアンフォラという壷の中で、硫黄を燃やして亜硫酸ガスを発生させるという方法になります。このようにして亜硫酸塩を含ませることで、ワインが酢になることを防いでいます。

ちなみに、ワインに含まれる亜硫酸塩の量はppm単位で、ppm(パーツ・パー・ミリオン)は100万分のいくらであるかという割合を示す数値となります。日本の食品衛生法第11条の厚生省告示第370号 食品、添加物等の規格基準によると、酸化防止を目的とした亜硫酸塩の使用基準は0.35g/kg未満で、この数字は成人が長年、日常的にワインを摂取しても健康に害を及ぼさない値となっています。60kgの人なら21gということになりますが、アレルギー持ちの方は避けたほうが良いでしょう。

ちなみに入れてもいい亜硫酸塩の量は、EUでは辛口赤ワインが0.25g/kg、貴腐ワインが0.4g/kgとされています。水溶液中の濃度は「1kg = 1L」と近似して「mg/L = ppm」とされています。750mlの瓶の場合、貴腐ワインでも0.3g[300mg]くらいということになります。

ビタミンB1の欠乏を起こした動物実験というのは、二酸化硫黄を0.01%ないし0.045%含む赤ワインや水をラットに長期にわたって毎日飲ませた実験のことを指します。結果、肝臓の組織呼吸への障害、ビタミンB1の欠乏が確認されています。人間の一日摂取許容量を鑑みると、摂り過ぎだろうという摂取量ではあります。