【効果なし】エステの脱毛は違法

エステのメニューに「脱毛」とありますが、正確を期すなら「抑毛」「減毛」と書くべきです。なぜなら、エステの脱毛が「弱い光」を当てることで毛根を傷つけ、一時的に発毛を抑制しているだけだからです。「脱毛」とは「毛根の破壊」を意味します。脱毛ではなく抑毛や減毛だから、エステの脱毛は効果が無いと言われている訳です。

エステ店が効果の無い脱毛をしているのには理由があります。医師免許を持たない人による光を使った脱毛行為が禁止されているので、医師がいないエステ店では「脱毛」と呼べる行為はできません。そのため、「抑毛」「減毛」と呼ぶべき行為を「脱毛」と称して行っているわけです。

法的な根拠は「厚生労働省 医政医発第105号」に書いてあります。「第1. 脱毛行為等に関する医師法違反の適用　用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又その他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」というのがそれです。

法を守れば効果はなく、効果を求めるなら違法となるわけですが、実際に高出力のレーザー照射をして脱毛行為をし、捕まったエステ店の経営者は少なくありません。法で規制されているのは、高出力のレーザーは使い方を誤れば、火傷や角膜を損傷する危険性があるからです。特に眼に関しては、遠赤外レーザーが水に吸収される性質があるので、眼房水等に吸収されないよう配慮する必要があります。

エステ店の脱毛に効果が無い理由を書きましたが、店内にある大きな装置を見た人の中には、「あんなに大きな装置なのに、効果が無いのが信じられない」という方もいるかと思います。しかし、あの大きさは脱毛性能には関係がありません。お客様が続けて来られても大丈夫なよう、連続使用を実現するために大きくなったのです。

では、医師に光脱毛をしてもらうのが一番良いのかというと、価格的にはそうとも言えません。医師による脱毛は価格が高く、施術する為には予約も必要で、したい時にできないことが多いです。それでも医療用の脱毛器が最優秀だからと思うかもしれませんが、今では家庭用も医療用も効果自体は大差がない状況になっています。

「医師免許を持たない人による光を使った脱毛行為が禁止」と書いたのに、光を使った家庭用の脱毛器が販売されているのは、レーザー製品の安全基準（JIS C6802）に反していないからです。平たく言えば、医療用のような強いレーザーを使っていないから販売できているのですが、だからといって脱毛効果が著しく劣るわけではありません。医療用に比べて出力が弱いものの、企業努力によって脱毛効果が高められているのです。ただし、商品によって雲泥の差があります。

脱毛器には「フラッシュ式」と「レーザー式」があります。脱毛器の原理としては、光が肌に照射されると他よりも色が濃い毛の部分に吸収され、光は熱エネルギーに変換されて毛の根元にある毛根細胞にダメージを与えるというものになります。

そういう原理ですので、脱毛に技術は要りません。エステティシャンがやろうと、素人がやろうと、使う機器の性能の差が出るだけです。むしろ、多くの人に使用されている業務用の脱毛器を使われるくらいなら、自分専用の家庭用脱毛器を買った方が衛生的に思えます。

一番のオススメはフラッシュ式脱毛器で、カートリッジ交換が可能なものがベストです。カートリッジとは、フラッシュが光る部分になります。ここを換えられない使い捨ての場合、一定数を照射して出力が急降下し、満足に脱毛できなくなっても、また商品を丸ごと購入する必要があります。カートリッジ交換が可能なものなら、本体はそのままでカートリッジを買い替えるだけでＯＫです。

レーザー式脱毛器は照射面積が非常に狭いため、全身を脱毛しようとすると、何百回と繰り返し使うことになり、長い時間がかかって電気代が高くつきます。何より痛いので辛いです。医師が医療用として使用しているのは、レーザー式脱毛器になります。

家庭用の脱毛器は商品によって雲泥の差と書きましたが、具体的な数値で比較すると下表のようになります。