「こくまろカレーが危険だという噂」について

ハウス食品から販売されているカレールウ「こくまろカレー」が危険だという噂を耳にしたので検証してみました。そもそも固形ルウ自体を危険視する人が居るようで、その理由は“脂で固めたアレ”が体に良い訳が無い。鍋の底にこびりついたアレを体に入れていることを想像したら……というものでした。

脂というか「トランス脂肪酸」という視点で見るなら、確かに取り過ぎはよくないと言えるでしょう。「こくまろカレー」は原材料の項目で真っ先に食用油脂(牛脂豚脂混合油、パーム油)がきます。最初にあるということは、もっとも多く入っている物質ということになります。

「こくまろカレー」のようなカレールウを固形化するには、水素添加という化学処理が必要となり、この処理過程でトランス脂肪酸が発生すると言われています。しかも、使われているのはトランス脂肪酸が含まれるパーム油で、これはアブラヤシの果実から得られる植物油になります。生産量世界1位の植物油で、パン、菓子、カップめんで多用されています。「カップめんは健康に悪いよ」と言うのと同じように、「カレールウは健康に悪いよ」と言えなくもないです。

こくまろカレーの危険性 ~少数派意見~

発癌性物質が含まれているかもしれない「カラメル色素」が入っているというのもあります。“かもしれない”理由については、「カラメル色素」のリンク先をご参照ください。これに関しては「2段熟カレー」や「とろけるカレー」にも入っていますし、コーラにも入っています。

人造固形脂を戸外においても虫が寄ってこないという理由もあります。マーガリンとバターを蟻の近くに置くと、バターにしか寄ってこないという話もありました。結局はトランス脂肪酸の話になりますが、動物性油にしても“動物の体温と人間の体温の違い”を危惧する意見もあります。

人間が食用としている動物の中には、人間よりも体温が高い動物がいます。そんな動物の肉を食し、脂を体内に入れた場合、人間の体内よりも熱い場所でも溶けなかったものが、体温の低い人間の体で溶けきるのかという話です。体温がどうあれ、胃液で溶ける気もしますが、そういう視点で問題提起されている方もいます。

こくまろカレーに限らない危険性

二日目のカレーが美味しいということから、常温で放置しておく人も少なくないでしょう。しかし、これにより食中毒の原因菌「ウェルシュ菌」が繁殖するという話があります。この菌は高温でも死滅せず、酸素が無くても増殖する厄介なものです。

日本におけるウェルシュ菌食中毒事件数は年間9~27件くらいだそうです。原因となっているのは、食肉あるいは魚介類等を使った調理品だそうです。対策としては常温放置を避け、加熱調理食品は急速に冷却して保存が望ましいとか。いずれにせよ、どんな食べ物にも危険はつきまとうものです。